一筋縄では逝かせない★



「はあー…。」



1人残された猿はため息をつきます。



「犬はどこ行ったんだよっと…。」



独り言も悲しさを増しています。



「おじいさんも…あの小娘も…」



くるりと振り返った猿は驚きました。



「うわあああーん!」



あの桃子が大声で泣いていたのですから…。



「おじいさんの、馬鹿ー!」



おじいさんの悪口を言われて猿が黙っているわけがありません。



「おい!てめー!じいさんの悪口いってんじゃねえぞ!?」



泣く子も黙る。



桃子は一瞬にして泣き止みました。



が…



頭のネジがゆるんでしまったのか、今度はいきなり笑いだしました。




< 135 / 525 >

この作品をシェア

pagetop