一筋縄では逝かせない★



「どうしますか?!おばあさん溺れてしまいますよ?」



キジは慌てておばあさんが飛び込んだ湖を覗き込みます。



「どうしましょうか…。」



男は心配している素振りを見せますが、キジは本当は若様をさがしていることに気が付きました。



「若様、どこにいるんでしょうね?」



キジは出てくるまで待とうと、男に話しかけます。



「若様…。」



男はみるみる元気がなくなっていきます。



「…。わっ若様って、どんな人なんですかっ…?」



キジは会話がなくならないように話題をふりました。



「若様はー…。」



そのあと男はぺらぺらとその若様の性格とやらを語りはじめます。



「おっおばあさん!遅いですね!」



キリがないとみたのかキジは口をはさみました。



「それでも若様は〜…。」



まだまだ話し足りない男は話し続けます。



キジは自分のしたことに後悔し始めていました。



「おばあさーん…はあ。」





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