一筋縄では逝かせない★
「凄い…」
遠くからでも大きい事が判る城を間近で見たおばあさんは感嘆の声をあげました。
「そうでしょ。ここには何千何百もの生き物が暮らしてるからね」
カメは少し誇らし気に言いました。
「本当に凄い…」
今まで、木と土と藁の家しか知らなかったおばあさんには夢の様です。
急に場違いな気にがして恥ずかしさが込み上げ、
「あっ、おじいさんを探さないと」
現実に引き戻されました。
「えー、まだいいじゃん。おじいさん、この池に落ちたんでしょ?ならどっかにはいるって!そんなに心配しなくても」
「そうね…」
押しの強いカメの説得によって、おばあさんは城に留まる事にしました。