一筋縄では逝かせない★



「じゃあ、まずは王様に挨拶しに行かなくちゃ」



「そうよね。勝手にお邪魔させてもらってるのだし」



おばあさんはカメの横に並び、歩調を合わせて歩き、王様の部屋へと向かいました。



「ここが王様の部屋だよ」



カメが示したドアをおばあさんはノックしました。



―コンコン



「何じゃ」



「失礼します王様!池に入り、困っていた様なので連れてきました」



「失礼します」



おばあさんはカメに続いて部屋に入りました。



「―…おばあさん?」



部屋へ入ったきり動かなくなったおばあさんにカメは呼び掛けました。



「…おばあさん?どうしたの?」



思わずカメはおばあさんを揺さぶりました。



「―おじいさん…?」



「え?」



言うなりおばあさんは王様の前へ行き、



「―おじいさん!」



と言いました。



「何だこの無礼な奴は!引っ捕らえろ!牢屋へぶち込め!!」



王様とおじいさんは瓜二つ、そっくりだったのです。




< 146 / 525 >

この作品をシェア

pagetop