一筋縄では逝かせない★
「早く行きましょう!」
キジは満面の笑みで男を促します。
「そうですね!…なんか忘れてないかな?」
「忘れてませんよー★それより急いで!」
男の背中を軽く押しながらキジは答えました。
「(危ない危ない…。)」
男は、自分の後ろでキジがいけない目つきをしていることに気付くはずがありません。
…キジは、おばあさんを置いてきてしまったことに気付いているのです。
「(あのおばあさんうるさいもんなあ…)」
キジはさらっと悪態をついて小さく笑います。
「若様がいるかもしれないですから!…みなさーん!そこにいるんですかー?」
キジがいきなり叫んだことに男は少し疑問をもちましたが、遅れないようにキジのあとを追い掛けました。