一筋縄では逝かせない★
「―いったぁ!!ちょ、ここどこよ!…あ、牢屋か…」
眠っていたおばあさんは思わず、冷たさと痛さで飛び起きました。
独り言は虚しく、静かな廊下に響くだけです。
「さて、寝たきりもなぁ…」
おばあさんはうーんと考え始めました。
「でも事を大きくするのもなぁ」
牢屋は余りにも暇でした。
たっぷりと時間を使い、頭を捻らせ考え出した作戦は、
「…腕があぁ〜!腕がこんなに痩せ細ってしまったわ〜!」
何事かと面倒臭そうに来た部下は、
「………プッ」
という笑いを残して持ち場へと戻っていきました。
「…じょ、冗談に決まってるじゃない!ジョークよ、ジョーク!ノリが悪いんだから〜」
やれやれと首を振り、チラリと廊下を見ました。
「―チッ。使えない奴」
おばあさんは舌打ちをして、またゴロンと寝転びました。