一筋縄では逝かせない★
「…飯だ」
ぶっきらぼうな様子で、牢屋の番人がおばあさんのところに食事を持ってきました。
「…??」
牢屋の小さな食事配給用小窓の前に置いてさっさと帰ろうとした番人は、返事が返ってこないのを怪訝に思って、食事のトレイを持ったまま牢屋の鍵を開けました。
「…」
おばあさんはぴくりとも動かずに床に横たわっています。
「大変だ…!」
番人はすっかり動揺して、食事を床に置くと、おばあさんを抱え起こしました。
「おい…!?大丈夫か……!?」
番人は必死でおばあさんを揺り動かします。
−その瞬間。
「かかったわね!…ミラクルー…アーイズっっっ☆」
「…はふぅ!」
番人は見事におばあさんの罠にかかりました。
「今後のことを考えると使うのは惜しかったけど…この際背に腹は代えられないわ!…じゃね!!そのご飯食べてていいから大人しくしててね♪」
おばあさんは番人を残したまま牢屋の鍵をしっかりと閉めると、投げキッスを残して華麗に去っていきました。
「待っててね…おじいさん!!」
目指すは王様の部屋です。