一筋縄では逝かせない★



「さあ、おじいさん!そんなヘンテコな格好してないで地上に帰りますよ」



おばあさんが王様をぐいぐい引っ張っていると、



「わしは何処へも行かんぞ」



と王様が低い声で言いました。



「何故ですか?嘘を仰い!そんなつまらなそうな顔をして。本当に昔からおじいさんは強情なんですから。ほら、帰りますよ!」



改めて手を掴まれた王様は、何か体の奥底に揺らぐものを感じました。




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