一筋縄では逝かせない★
キジのその言葉におばあさんは苦々しげな顔をすると、
「た…単なる通り掛かりの人よ☆」
見え透いた嘘をついてみました。
が、
「はぁ…」
案の定誰もノッてくれませんでした。
「おぉっ!わしにそっくりじゃぁっ…!」
ただ一人、おじいさんだけが自分と瓜二つな王様を見て喜びに目を輝かせています。
犬はそっくりな二人を見、次におばあさんのやっちまった感溢れる表情を見て、大体の状況を把握しました。
−と、その時。
「ば…」
苦しそうにうずくまっていた男が、突然顔を上げました。
「おっ…お兄ちゃん…っ!?」
思わず男の肩を支え、心配そうにその顔を覗き込む桃子の、なかなか重大な発言を聞いたおばあさんは、
「はぁ!?お…お兄…!?」
口をあんぐりと開けて見知らぬ若い男の方に目をやりました。