一筋縄では逝かせない★
「何かよく分からんがとにかく桃を探すのじゃーっっ☆」
事態はある程度把握しているはずなのに、一人浮きまくりのこのハイテンション…
相変わらずKYJっぷり全開のおじいさんの言葉に、
「…おじいさんが行くならわたしも行くわ…」
「お兄ちゃん…行こぉ?」
「も…桃子がそう言うなら…」
言い争っていた二人も、ようやく落ち着きました。
ところが。
「…ふんっ!」
目が合うやいなやお互い勢い良く顔を背ける様はどこからどう見ても小学生レベルです。
「とりあえず…出発だっ!!」
真上に思いっきり拳を突き上げながらの犬の掛け声に、
「おー…っ…」
あちこちから返ってきたのは何とも気の無い返事。
「あのぅ…まずはなぜ突然桃探しなのかっていうのを説明してもらえませんか?」
キジが遠慮がちに挙手します。
「…っだよな…」
犬は大きな溜め息をつきました。