一筋縄では逝かせない★
「待てよ!それめちゃめちゃやべえ組み合わせじゃねえか!」
男、いやお兄さんが叫びます。
「おー!…じゃねーよ!」
「なんでじゃ?」
おじいさんははて、と不思議そうに声をあげました。
「俺は!こんな奴らと回りたくねえ…!てゆーか、回れるかよ?!」
兄はみんなにひどい言葉を浴びせ続けます。
「俺は!1人で回る。」
兄は解決したはずなのに、またも苦しそうに顔を歪めました。
「なんだよ?自分勝手言いやがって!」
犬のそんな言葉も無視して兄は歩きはじめます。
兄の頭には前に誰かに言われた言葉がぐるぐると回っていました。
「(俺は、二重人格…なんだろ?)」
「っ…。お兄ちゃん…」
そんな兄の姿をみて、桃子は小さく声を出しました。