一筋縄では逝かせない★
「…わしの決定に文句を言う奴は許さんぞー!」
おじいさんはみんなに背を向けて一人で歩きだした男の首根っこをぐいっと引っ掴みました。
「ぐぇっ…」
男はそのあまりの苦しさにばたばたと手足を動かします。
「…止めてやれじいさん…」
見ていられなくなった猿が思わずおじいさんを止めると、
「わぉ、思った以上に力が入っとったわい☆」
おじいさんは危うく人を一人殺しかけていたことも忘れてしまったかのように、お茶目に応えます。
「…っざけんなよ…」
けほ、と苦しそうに、でも憎々しげに吐き捨てる男の両腕を、
「若っ!」
「一緒に行きましょう!!」
もう一人の男と鬼ががっしりと掴みます。
そして犬は、
「お前が一人で回りたがろうがそんなの関係ねぇ。お前と回りたい、って奴らがいるんだよ…ここにな。」
腕を組み、視線を横に逸らせたままぼそりと言いました。
「…っ」
「…ということで1班はあっちじゃーっ!」
おじいさんは満足そうに笑うと、そう高らかに宣言しました。