一筋縄では逝かせない★
「…あぁっもう煎餅でもケーキでもどっちも持ってきゃいいじゃねぇかっ!!」
猿はいい加減我慢できなくなって叫びました。
「だって…」
そっくりの二人は全く同じタイミングで猿の方へ向き直り、
「ぅわ…」
猿は思わずその場から一歩後ろに下がりました。
「両方持っていこうとするとっ…」
おじいさんと王様はそこまで二人揃ってまくし立てると、
「煎餅が半分しか入らんのじゃぁ!」
「ケーキが半分しか入らんのじゃぁ!」
めいめいが自分勝手極まりない発言をかましました。
「…もぅどっちも持ってきたいだけ持ってけばいいじゃねぇか…」
猿はキレてしまわないようひたすら冷静に、冷静にと自分に言い聞かせながら呟きました。
「…いいのかっっ!?」
その瞬間ぱぁっ、と顔を輝かせた二人は、山のような煎餅とケーキを抱えながら笑顔でとんでもないことを言いました。
「年寄りの背中に重い荷物は酷じゃー…というわけで猿さん、頼みますぞー☆」