一筋縄では逝かせない★
「あ…これ…。お兄ちゃんの…。」
桃子はキジを睨んだ後で、キジの向こう側に兄が身に付けていたハチマキを見付けました。
「ハチマキですね。」
キジは桃子の地雷を踏まないように、ゆっくりと桃子に近づきます。
「お兄ちゃんに渡してこようかしら…。」
桃子は兄と話せる機会をGETし、少し嬉しそうな顔を見せました。
「(そっか…桃子さん、知らないんだ…。)」
キジは、兄が村を襲ったことを思いだし、辛そうにします。
「(実際僕も猿さんにこっそり聞いて初めて知ったんだし。)」
でも、これはいつかは知らなきゃいけない話。
キジは桃子に言おうかいわまいか、迷います…。
「…お兄ちゃん?」
キジが悩んでいる間に桃子は兄のそばに近寄り、小さく声を掛けました。
しかしそのとき。
男が鬼に向ける妙な視線に桃子は違和感を感じたのでした。