一筋縄では逝かせない★



「…きゅーけいじゃ、きゅーけー!」



おじいさんと王様はずんずん先へ進もうとする猿のリュックサックを二人揃ってぐいぐいと引っ張りました。



「…んだよお前ら…!さっきも休憩!って菓子食って30分も寝こけたとこじゃねぇか!?…ってかなんで片言!?」



きぃー!!…と歯をむき出しにして怒鳴り付ける猿に、じいさん二人組はなおも「きゅーけー」コールを繰り返します。



「…っあ゛ーっ分かった分かった!!はいはい!」



「『はい』は一回でいいのじゃ!」



「はい……っくそ、マジうぜぇ…」



ぶつぶつと呟きながら二人を睨み付ける猿ですが、お菓子にぱくつく幸せそうな様子に、



「…ま、いっか…焦ってたら見つかるもんも見つかんねぇ、ってな…」



仕方なさそうに小さく笑うと、ふぅ、と息をつきました。




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