一筋縄では逝かせない★
「(うげー…桃子、だってさ!)」
「(ちょっと犬さん!そんな顔してたらばれちゃいますよ!)」
キジはあせあせとしきりにハンカチで汗をぬぐいます。
「(へーきだよ。今あいつは俺たちにやってもらわなきゃいけないことがあるんだ。下手に手ぇ出してきやしねーよ。)」
「あーら★ずいぶん楽しそうねっ!桃子も仲間にい・れ・て?」
桃子は怪しいアイコンタクトをする犬とキジの会話に乱入します。
「なんもしてねーよ。ところであのばばあはどこ行ったよ?」
桃子は一度、ぶーっと膨れてから周りを見渡しました。
「知らないわよ。それよりー♪あんたたちー、ちゃんと見とかないとまじで殺っちゃうぞ★」
「(ほんとおっそろしい女…。)」
2人は桃子に気付かれないように気の抜けたため息をつきました。
「ねー!お兄ちゃん!行こ!」
桃子はそういった瞬間、あることに気づいてしまいました。
「!?」
同時に、犬とキジも目を見開きました。