一筋縄では逝かせない★
「…ほぉ〜。じゃあ、その予知夢とやらを見せてもらおうか!」
猿は安らかに眠っているおじいさん達に半ばやけくそな気持ちで言い放ちました。
すると、緩かに王様の腕が動き、その手でOKサインを作りました。
「…ムニャムニャ」
「何だ!?」
OKサインの主が何やら動き始めたので、猿は耳を寄せて聞きました。
「…黒い箱をここへ…」
「く、黒い箱だな!」
馬鹿らしいと思いながらも猿は体が動いていました。
性なのでしょうね。
「…箱を開けて、頭を中へ…」
「中へ…って、はぁ!?んな、滑稽な真似…!…でも犬は…」
騙されたと思って、一か八か乗ってあげました。
「…そのまま目をつむり、心を無にして眠るのじゃ…ムニャ」
「分かった」
おじいさんの、
「起きたら、わしの夢の話も聞いてな〜」
という寝言を尻目に猿は箱に頭を突っ込んだ姿勢で眠りました。