一筋縄では逝かせない★
「あぁ、判ったぜ」
猿はギラリと目を光らせました。
「それにしても、不思議な箱だよな。何かカラクリでもあるのか?」
猿は頭から箱を外し、箱を覗き込んだり、ひっくり返したりしました。
「…んー?いや、特に何もないんじゃがな。昔からあの城にあった」
目を覚ました王様が言いました。
「ふーん…そういえば王様はもう…」
猿が何か言いかけたところへ、
「ほぅら!もう、こんなに手にマメが出来てしまったよ。え!?まだやるって!?勘弁してよ〜」
というおじいさんの寝言が重なりました。
「…何だ今の寝言…言葉も気になるが、何か口調変じゃなかったか?」
よし!と猿は手に持っていた箱をまた被り、眠りました。
「急ぐと言ってたのはどこの誰だか。あー、暇になるわい…」
王様は足を投げ出しました。