一筋縄では逝かせない★
「ここは…」
猿は川岸にいました。
「さっきの続きか?」
またシマリスが来るのかと待ち構えていると、
「…あっぷるという…わっはっは……巨大マグロが…」
「何だ?」
猿は物陰から声のする方を伺いました。
そこには薄手の着物を着た子どもが二人。
「…ねぇ。その話いつ終わるの?口よりも手を動かしてほしいんだけど」
女の子が男の子に不機嫌そうに言いました。
「あ、話だけじゃ判らんか。マグロはこんなもんで…」
男の子は手でマグロの大きさを表現しました。
「そうじゃなくって…」
女の子は大きな溜め息をつきました。
「判ってるよ。けど、何ヘクタール耕させる気だよ」
「はぁ!?まだ1m四方も出来てないじゃない!あ゛〜本気でこいつと結婚しなきゃならないの!?」
「…本人いるんですけど…それは言わない約束だろ?村が決めた事なんだから…」
「…」
「シビアだ…」
猿は二人から目を離して呟きました。