一筋縄では逝かせない★
ハプニング10
犬・キジ・桃子の脳裏に大きな滝のある川が浮かびました。
「あー、ありましたね!」
キジはクルリと犬を見ました。
「でもあれって、猿とかが暴れてたんでしょ?汚いんじゃない?」
桃子は眉間に皺を寄せて小声で耳打ちしました。
「へ?そうなのか?」
「だって私、その時には既に桃から出て見てたもん」
思い出した、あれは凄かった…と桃子の眉間から皺は消えません。
「そうだったな。俺が食べた桃は空洞だった」
美味かったな〜と犬は一人で頷いています。
「プッ…拾い食いだなんて。まさに犬のする事ね!」
言い終わるや否や、桃子は腹を抱えて笑い出しました。
「腹が減ってたんだよ!悪いか!!」
犬は握り拳をフルフルと震わせました。
「―はっ!あいつは!?」
久々の感覚に二人は我を忘れていました。
「…大丈夫です。動きはありませんが、やはりたまに見てますね」
キジがひっそりと言いました。
キジの言葉に二人はホッと胸を撫で下ろしました。