一筋縄では逝かせない★
「…ぐっもーにんぐ!」
突然片手を挙げて大声で叫ぶと、おじいさんはがばり、と飛び起きました。
「…何かいい夢見てたのじゃ☆」
「そうかいそうかい、良かったのぉ!…ところで、先程から猿の尻尾を思いっきり踏んづけておるぞ?」
王様は笑顔を絶やすことなく心底楽しそうな表情で言いました。
「…………って!!」
その直後、猿が尻尾を押さえて飛び上がりました。
「すまんのぉ…」
おじいさんの謝罪の言葉に猿は、
「な…んか今ものすっごいいいとこだったのに…」
と呟いて悔しそうに唇を噛みました。
「…何じゃ?いいとこ、って…何のことじゃ??」
「…くそっ!」
猿はおじいさんの質問に答えようとはせず、再び黒い箱に頭を突っ込んで眠ってしまいました。