一筋縄では逝かせない★
「変なとこに出ちまった」
言いながら猿は上を見上げました。
目の前に大きな家があるからです。
「もう嫌!!」
「誰か来る!」
猿は近くの木陰に身を潜めました。
「あんたなんて、うんざりよ!」
「何が不満なんだ?欲しい物があるなら買ってやるから!」
「それが嫌だって言ってるのよ!付いて来ないで!!」
女は後から追ってきた男を振り返り、トドメを食らわせました。
「おいおい…」
猿には成す術もありません。
トドメが効いたのか、
「俺には金があるんだ!なんでも出来るんだ!!」
と女の肩を掴みました。
「……っうざいっつってんのよ!!触んじゃないわよ!!!ミラクルあーいず★」
ビシャァァアアン!!
「…地面が揺れた気が」
猿がそんな事を思っていると、急に男はケロリとし、家へ入っていきました。
「…夢は懲り懲りだ」
「ふふっ」