一筋縄では逝かせない★
「何を訳の判らん事を言ってんだ」
「なんだ、起きとったのか」
猿は気だるそうに、ムクリと起き上がりました。
そしてグッと王様の胸ぐらを掴み上げ、
「調子乗るのもいい加減にしとけよ。俺はじいさんの味方だからな」
と小さく呟きました。
「おー、怖い怖い」
王様は心底この状況を楽しんでいます。
王様から手を離した猿はひょいと煎餅をつまみ上げ、
「さっさと行くぞ」
と煎餅をかじりながら歩き始めました。
「え!ちょっ待…ケーキが…ゴホッ」
おじいさんが口にケーキを押し込んでいる横で猿は、
「(礼ぐらいはしてやる)」
と心の中で王様へお礼を言いました。