一筋縄では逝かせない★
「(こんな事前にもあった気が…)あのぉ〜、鬼さん達いいんですか?」
キジは鬼と男の消えていった方を控えめに指差しました。
「…」
おばあさんとそれを木にロープで縛りつける桃兄妹は、何ともまぁマヌケな面構えを晒していました。
「判ってるって!」
「判ってるわよ!」
「判ってるわよ!」
その前にこのロープ外しなさい!とおばあさんは抵抗しました。
キジは木にロープで縛りつけられているおばあさんを見て、ため息をつきました。
「ちょっと、待って下さい!」
鬼は速度を緩め、男の声に振り返りました。
男は肩で息をつきながら、
「一緒に行きましょう」
と微笑みました。