一筋縄では逝かせない★
「〜♪」
おじいさんは猿の背中で楽チンなのか、一昔前のアイドル歌手の曲を楽しげに口ずさみます。
「…おっっっっっも!信じらんねぇっ!…こらっ!リズムに合わせて揺れてんじゃねぇっ!!」
「羨ましいのじゃ!わしも!わしも!!」
王様は地面に座り込んで足をばたばたさせながら駄々をこねます。
「…っはぁ!?尻尾引っ張ってんじゃねぇよ!!……っちょっ…首締めんな馬鹿!!」
「おじいさんー!わしにも交代して欲しいのじゃー!!」
「嫌じゃあー!」
「じゃああと…あのでっかいどんぐりの木のところまで行ったら交代なのじゃ!」
「…んなっ!?勝手に決めてんじゃねぇよ!!どこにんなでっかいどんぐりの木が……って!?」
猿が視線を上げると、少し向こうに巨大などんぐりの木がどっしりと立っていました。
「あ…んなの…いつの間に!?」