一筋縄では逝かせない★
「じゃあ早く行きましょっ!時間がないわ!」
桃子は焦りを浮かべながらみんなを急かします。
「そうだな…行かねーと…。」
「何?お兄ちゃん。何でそんな乗り気じゃないのよ…?」
行かなければと言いつつも全然行こうとしない兄に妹は心配そうに小首をかしげました。
「…すんだよ。「え?」
「なんかすっげーやな予感がすんだよ。」
兄がまっすぐ視線を向けたため、緊張はみんなにも伝わりました。
「まあ…やな予感がするにも行かなきゃどうにもなりません。行きましょう。」
キジが促すように、言葉を放ちます。
「じゃあ、いこーぜ。どうなるかはまあ、天に任せるんだな。」
「わんこ……てめえきもいぞ…」
「っち。」
犬はくっさいセリフを兄に指摘され、不機嫌な顔付きになりますが、周りはだれも気付いてくれません。
「さあ!行きましょう!だから私の縄を!」
みんなが歩きだした後ろから、おばあさんの叫び声が聞こえています。