一筋縄では逝かせない★
「…おいっ!ちょっと黙ってろよ!!」
猿はじいさん二人を怒鳴りつけました。
「ほほぅ、老い先短い…ってことか?」
「…そうじゃっ!じゃからわしは…」
「かといってわしだって…」
「…いくら王様でも…」
猿の大声にも関わらず、おじいさんと王様は絶賛口論中。
「…っー…」
猿は握りこぶしをぷるぷると震わせながら必死で怒りを静め、冷静な口調で言いました。
「あ…のさ…確かこの木のところまで来たらシマリスが現れるはずなんだけど?」
「…おぅ!そうじゃったかな?」
「シマリス??何のことじゃ?」
その一言に、じいさん二人は口論を止めて猿の方へと顔を向けました。
「…シマリス…出てこないんだけど?」
猿は質問に答えることなく、誰にともなく呆然と問い掛けました。