一筋縄では逝かせない★
「―何が‘ね?’だ、コラ。見慣れた顔だと思えば、さっき散々暴れてった奴等の仲間じゃねぇか。先程は城を荒らしてくれちゃって、どうもありがとうございましたねぇ。その所為で後始末が大変で。まだ追われてるわよ!!」
「あ、それ程でも…」
「褒めてないわ!!」
「だ…誰なんですか?この口の悪いお方は…」
「この人は女神さん。ここに住み込みで働いているらしいです」
「初めまして」
「あ、こちらこそ。初めまして」
男は憐れみの目で女神を見て、ペコリとお辞儀をしました。
「では、挨拶も済みましたし、次へと進みましょうか」
「え、えぇ…」
「そんだけやったんかい!もう一生来んな!!」
女神は鬼に中指を立てて見送りました。
「あ、この金と銀の草はもらっていきますね。本物の草はプレゼントします」
鬼はニコリとして言いました。
「だ…誰がいるか、こんな草!!戻って来んなっつっただろ!何度も言わすな!!」
天然なのが更に質悪いなと男は思いました。