一筋縄では逝かせない★



「―何が‘ね?’だ、コラ。見慣れた顔だと思えば、さっき散々暴れてった奴等の仲間じゃねぇか。先程は城を荒らしてくれちゃって、どうもありがとうございましたねぇ。その所為で後始末が大変で。まだ追われてるわよ!!」



「あ、それ程でも…」



「褒めてないわ!!」



「だ…誰なんですか?この口の悪いお方は…」



「この人は女神さん。ここに住み込みで働いているらしいです」



「初めまして」



「あ、こちらこそ。初めまして」



男は憐れみの目で女神を見て、ペコリとお辞儀をしました。



「では、挨拶も済みましたし、次へと進みましょうか」



「え、えぇ…」



「そんだけやったんかい!もう一生来んな!!」



女神は鬼に中指を立てて見送りました。



「あ、この金と銀の草はもらっていきますね。本物の草はプレゼントします」



鬼はニコリとして言いました。



「だ…誰がいるか、こんな草!!戻って来んなっつっただろ!何度も言わすな!!」



天然なのが更に質悪いなと男は思いました。




< 259 / 525 >

この作品をシェア

pagetop