一筋縄では逝かせない★



「…第2回じゃったかー?」



「まぁそんなことは気にしなくていいんじゃー☆」



「確か…3回か…4回か…5…」



「すとっぷ!いったいどこまで行くんじゃ!?」



…ぶつぶつと話しながらも、おじいさんと王様はお菓子を取り出す手を止めません。



「…のぉ、王様…猿が見とるものは…」



「おじいさんが思う通りのものじゃ…もうすぐ、全てを知ることになるじゃろう…」



「のぉ、王様…ケーキが美味しそうじゃのー…」



「そうじゃのぉ…もうすぐ、全てを食べおわってしまいそうじゃ…」




「……その前に、もう一つわしに…くれんか?」




おじいさんは突然に言いました。



「ケーキか?ケーキはやらんぞ??」



王様は意地汚くケーキを両腕で抱え込みました。



「…そうじゃないんじゃ…わしにも一つ…どうしても思い出せんことがある……それを…思い出させてくれんか…??」



「ほぅ…?」



王様は目をぱちぱちとしました。




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