一筋縄では逝かせない★
「つまり…こういうことじゃなっ!!」
王様は突然猿がかぶっている黒い箱をすっぽーん!と引っこ抜きました。
そして、
「…ほいっ」
すぐにおじいさんの頭にその箱をそっとかぶせました。
「しかしおじいさんや…どうしても思い出せんこととはなんじゃ?それは思い出さねばいかんことなのか??」
王様の問い掛けに、
「…わしにも分からんのじゃ…何か…まだ大切なことを…忘れているような気がするだけで…」
途切れ途切れのおじいさんの声が返ってきました。
「そうか…」
「ひょっとしたら…そんなことはないのかもしれん…じゃが…あるとしたら思い出さなくてはいかん気がするのじゃ……」
「…ん…?眠ってしまったな…わしも一眠りするとするか…」
王様はごろりと地面に寝転がろうとしましたが、
「…突然引っこ抜いてんじゃねぇっっっ!!どういうことだ!」
「おぉ怖っ!」
怒った猿に問い詰められてしまいました。