一筋縄では逝かせない★
「ちゃんと足跡見とくのよ!くそキジ!」
「(くっそー…なんで僕ばっかり…)」
そう思っていても口に出せないのがキジです。
「んー?何かしら…あれ…?」
桃子が何かを見つけたように目をこすりました。
「湖…?」
兄も不思議そうに下を見つめます。
「とりあえず降りてみようぜ!なんか分かるかも知れねーよ?」
なっ!、と犬が言ったとたん、キジがあからさまに嫌な顔をしました。
「(どうせ僕…)」
「くそキジ!降ろしなさい!」
「(ほらー…)」
キジは逆らうわけにもいかず、しぶしぶ命令に従います。
「なんか…普通の湖だけみたいね?」
「だな…。」
「ちぇっ。何もねーのかよ。」
期待するだけショックは大きいのです。
「キジー!乗せなさい!」
桃子は再びキジを呼びつけ、乗ろうとします。
そして、
「俺も行こー…」
犬も立ち上がりキジに乗る際、足下にあった石を蹴ってしまいました。