一筋縄では逝かせない★



「…っぅ…」



おじいさんは夢を見ていました。



『ちょっとおいっ!お前家は!?…なんで真夜中にこんなとこに…!!』



『うんざりなのよあの男!金持ってるからっていい気になって!!もう我慢できないわ!』



『だからって…こんな時間に外を歩いてきたりしたら危ないじゃないか!何かあったらどうするんだよ!!』



『確かに…それは謝るけど……でも』



女はそこで輝くような笑顔を浮かべて言いました。



『ちゃんとここまでこれたんだから、いいじゃないっ☆』



『……っまぁ…そうかもしれないけど…とにかく家ん中、入れよ…』



男は急にしどろもどろになって、視線を逸らしながらぼそぼそと言いました。



『おっ邪魔しまーすっ!』



女は遠慮もせず、ずかずかと家の中に踏み込んでいきました。




< 272 / 525 >

この作品をシェア

pagetop