一筋縄では逝かせない★



「速いです!風になった様です!」



「そうだろ!そうだろ!これに乗ると風になれるんだぜぃ」



「…」



意気投合し、上機嫌な二人について行けず男はうんざりと溜め息をつきました。



「この辺の水は綺麗でなぁ。魚がそりゃもう沢山居るんだぜ。釣りでもするか?」



「本当ですか!したいです!」



「それじゃあ、竿を…」



「それなら心配ご無用です!男さんがいますから」



鬼は誇らし気に男を見ました。



男はそれに答える様に鞄から釣竿を三本(?)出しました。それからルアー等一式を。



「へぇ、たまげたもんだ」



船の船長は目を丸くしました。



―数十分後



「釣れましたね。大漁です!言った通りでした」



「そうだろ!そうだろ!この辺にしとくか、生態系崩したら大事だしな」



「(大袈裟な…)」



「そろそろ行かないでいいのかぃ?」



船長は腕に時計も着けていないのに時計を見る仕草をしました。



「あ…またやってしまいました…」



「くよくよすんな!男だろ!直ぐ行きゃあ、あっちゅー間に着いちまうわ!掴まってな!振り落とされんなよ!」



いい加減多用な感嘆符に慣れてきた男は船にしっかりと掴まりました。




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