一筋縄では逝かせない★
―数分後
「鬼ヶ島ってのはどの辺だ!?」
「(知ってるんじゃないのか…)―あっ、あそこ煙があがってますよ!」
「あ、あの辺りです!島は!」
「よっしゃあー!!」
―数秒後
「本当になんてお礼を言ったらいいのか…」
「良いって事よ!皆によろしくな!達者でな!」
「はい!」
船は颯爽と去って行きました。
「なんなんだったんでしょう、あの方は」
「さぁ…」
言い終えるなり、静かになった鬼を男は見つめました。
鬼は何かに身構えている様でした。
「行かないんですか?」
「え、えぇ…何か…」
「?」
男は珍しく思考が停止しました。
船の旅、これにて〈完〉。