一筋縄では逝かせない★
ハプニング16
「(何かがおかしい…)」
「(何だか…)」
鬼と男はそれぞれに心の中で呟きました。
すると突然鬼が駆け出し、
「皆!遅くなりました!帰って来ました!」
と走りながら叫び始めました。
「反応がない…。人の気配はするのに…」
鬼は息を切らして言いました。
―ガサガサッ
「…お、鬼だ!まだいたんだ!」
草から顔を覗かせ、そう叫び走り去って行ったのは人間でした。
「何故この島に人間が…?」
「何故ここにあいつが…」
「え!?」
鬼は男の発した言葉に驚きました。
「男さん、あの人間を知ってるんですか?」
「(まずい…)」
「こっちを向いて下さい!何故そんなまずそうな顔をするんですか!?」
「…ッ」
「男さん!!」
今度は男が走り去っていきました。
「男さんも気になるけど、まずは皆のところに行こう!」
鬼は男とは違う方向へ駆けていきました。