一筋縄では逝かせない★
「はっ…はぁはぁ…」
男は一度立ち止まり後ろを振り向きました。
「付いて来てない…しめた!」
男は鬼が付いて来ないのを確認すると再び走り始めました。
「(あいつが何故この島に?)」
思考を巡らせながら男はさっきの人間が行ったと思われる方向へ走っていきました。
「―鬼がまだいたんだ!生きてる奴が外にいたんだよ!」
「ほ、本当か!?」
「やったな!」
「(あいつ等…)あなた達!!」
男は人だかりの出来ている場所へ着いてないのに大声を張り上げました。
「げ…っ!!」
人間達は男を見た途端、逃げ出そうとしました。
「逃げても無駄です!」
人間達はビクリと体を震わせ、無駄な事だと判ったのか、抵抗を止めました。