一筋縄では逝かせない★



「…ったく!」



泣き止もうとしないじいさん二人に痺れを切らした猿は、どこからか大量のバナナを取り出して二人の目の前に積み上げました。



「こ…これは何という食べ物じゃ?」



バナナを手にとってしげしげと眺める王様に、



「お前バナナ知らないのか!?」



猿は驚いて叫びました。



「バナナというのか!?海の中にはこんな食べ物はないのでな…」



「なのに煎餅は知ってんのか…」



猿が不思議そうに呟くと、



「まえーに亀が地上のお土産じゃといって持ってきてくれたのじゃ…それが舌がとろけそうな程旨くてのぅ…」



王様はうっとりと答えました。



「煎餅に舌がとろけそうって表現使う奴初めて見たわ俺……」



そこで猿はさっきから黙りっぱなしのおじいさんに気づきました。



「じいさん?どうしたんだ??」




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