一筋縄では逝かせない★
「ぜぇ…ぜぇ…」
鬼は住み慣れた島をひたすらに走っていました。
「(…傷が疼きだした…)」
走りながら手当てされた傷口を抑えました。
遥か向こうに見覚えのある懐かしい建物が見えてきて、それを見た鬼は速度を上げました。
「みんな…っ」
鬼は島のど真ん中にある城のドアを勢いよく開けました。
「誰も居ない…どこ…」
鬼は泣きたくなりました。
荒らされた跡は薄れて無くなりつつありましたが、そこに居た者達がごっそりと跡形もなく、なくなっていました。
「自分が遅かったから…」
鬼はもっと泣きたくなりました。
気付けば鬼はまた走り出していました。