一筋縄では逝かせない★
ハプニング17
「…前にたくさんのバナナをわしにくれたのはお前さんじゃったのか…」
「え…あぁうん、まぁ…」
猿は自分でも忘れかけていたようなことをおじいさんが覚えていてくれたので、思わずじんとしてしまいました。
ところが…
「そうじゃったのか…」
おじいさんの脳裏には、ある昔の光景が広がっていました。
『ほら!あなた!!バナナよ☆大好きでしょ?』
『…おぉ!わざわざ買ってきてくれたのか!!ありがとう…じゃあ早速………うん!やっぱり旨い!!』
『でっしょー!?やっぱり!わたしの選んだバナナに間違いは無かったわね♪』
「そうじゃったか…」
おじいさんは目を伏せ、そればかりを呟きます。
「ど…どうしたんだよ?」
「…いや!何にもないんじゃ!!ただちょっと昔のことを思い出しとっただけで…」
「そ…そうか?」
「…」
その直後、何やら気まずそうな雰囲気を察知してか、王様が突然あ!と口を開きました。