一筋縄では逝かせない★
「ああああの…本当に来るんですか?」
「駄目な理由でも?」
「……こっちです…」
村人は諦めて俯きながら男を案内しました。
道が拓けてきて、進むにつれ聞こえてくる声が大きくなってきました。
「―お、帰ってきた、ぞ…」
一人がそう声を上げた途端、辺りはざわめきました。
「ああああ…」
別の一人が震え上がりながら男を指差しました。
次の瞬間、
「「「すみませんでしたあーー!!!」」」
「!?」
「…」
そんな村人達の行動に男はまったく動じませんでした。
白けた視線を村人達へ向け、
「ここで何してるんですか?」
と本日何回目かの同じ様な質問をしました。
「それと、あなた達も」
男が視線を向ける先には人間達と仲良くする、色とりどりの鬼達の姿。
鬼達もこちらへ視線を向けました。