一筋縄では逝かせない★
「(まじでどこまでいくのよ…)」
おばあさんは年のせいか、つかれきった表情を浮かべて男のあとをつけていきます。
「しかもなんか偉そうー…てゆーか、なんでここに人がいるのかしら…?」
「それって…どういうことなの?」
桃子は疑問をずばっとキジにむけました。
「有り得ないんですよ…僕たち以外に人がいるなんて…」
自慢気に話したくせに、なぜかあまり喋りたくなさそうな態度に犬は違和感を覚えます。
「…それは俺が、殺した、から…?」
「…え…。」
「そうなんだろ?」
兄は辛そうに顔をしかめ、目を泳がせました。
「そっ、それは…」
「そんなことより、そいつらの正体、だろ?まだ誰かも分かってねーんだぜ?」
その場の空気を読んでか、犬は話を先に進めます。
兄の顔を見て、桃子もまた辛そうにしました。