一筋縄では逝かせない★
「…」
西部劇の様に男と鬼達の間に意味あり気な風が吹きました。
「(早撃ちでもするのか…?)」
鬼もまたそんな事を考えていました。
「あーーー!!!」
そんな空気を一つのすっとんきょうな叫び声が砕きました。
「…どうしたんだよ?」
鬼の群れの中の一人が叫んだ鬼にひっそり問いかけました。
叫んだ鬼は男を指差し、
「あ…あいつだ…」
と謎な事を言い始めました。
そこにいた者達は黙ってその続きを待ちました。
「…この島をめちゃくちゃにした奴は、あいつだよ!!」
尚も男を指差しながら叫びました。
その場にいた全員が男の方を向きました。
「な、何言ってるんですか…」
鬼は目を泳がせながら叫んだ鬼に掴まりました。
「男さんはそんな事…」
「僕は見ました」
叫んだ鬼は一旦そこで言葉を切り、
「この人間が仲間を傷つけていくのを…!」
辺りはしん…と静まりかえりました。
「お、男さん…」
鬼は掴んでいた手を離し、男のところへ行きました。