一筋縄では逝かせない★



「木の実木の実…って全然ないじゃねぇか!!」



猿はちっ、と舌打ちして言いました。



「おっかしいのー…」



王様は相変わらずにこにことやわらかな笑顔を浮かべています。



「…っおい!また何か考えてんじゃないだろうな!?」



猿はそんな王様の胸ぐらを掴んで揺さぶります。



「ぱーどぅん?」



「……ぁー…何か今俺突然どっと疲れたわ…」



「…あ」



その時、おじいさんが驚いたような声を漏らしました。



「どうした?…あ…畑…??」



目の前に広がったのは広大な畑。



ちゃんと手入れがされているらしく、とても綺麗な状態です。



「梅…スイカ…桃……」



おじいさんはそんな畑を見て、ぽつりと呟きました。



「え…?あ…!?まさか…!!」



猿は何かに気づいたように大声で叫びました。




< 311 / 525 >

この作品をシェア

pagetop