一筋縄では逝かせない★



「なあ。なんであいつもついてった?」



歩いている最中、兄がふと呟きました。



「あいつって?」



「若、若うるせーやつ。」



桃子が尋ね、兄が面倒くさそうに目を伏せます。



「ああ…鬼のこと、心配してついてったんじゃない?」



「そ。」



兄は自分が問うたくせに興味のなさそうに答えました。



「あいつ、そんなやつだっけね。」



兄はほくそ笑み、前に視線を戻しました。



と、その時。



「みーつーけーたー!」



兄が視線を向けた方から何やら叫び声が聞こえます。


「ちょ、あれって!」



みんなの背中に冷や汗が流れます。



「ばばあ!」



「そうよ!ばばあよ!」



「はや…。や、てか縄は?」



「今はそんな状態じゃないの!今すぐ!あたしについてきなさい!」



おばあさんの威勢の良さに4人は呆然とするばかりでした。




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