一筋縄では逝かせない★



呆気にとられ、鬼達は立ち尽くしました。



「さあ、焼くなり、煮るなり、仲間と同じ様にするなり好きにして下さい」



男は鬼達をじっと見ました。



鬼の頭(かしら)はたじろぎました。



状況を飲み込めていない顔をしています。



「お、お前は俺達を殺しに来たんじゃないのか?」



鬼の頭は単刀直入に聞きました。



「えぇ、そのつもりでした」



男も直球で返しました。



待ったなしの状況です。



「でした…?」



「はい、もう止めました」



男はけろりと言ってのけました。



「本当か!?何を企んでる!?」



「止めましたって…もう、こんな人達と一緒にいたら自分を見失いそうで」



「?」



やはり鬼達は腑に落ちない顔をしました。




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