一筋縄では逝かせない★



「おい…そんなこと言われてもついてく気になんねーよ。」



兄は目を細めながら小さく言いました。



「説明は後よ!」



「おばあさん!ちょっと!僕たちも今大変な状態で!


「あー!くそキジ。その辺でやめてもらっていい?説明は後って言ったのが分からないの?」



おばあさんはキジを制し、口元に手をあてクスッと笑いました。



「ほら!」



おばあさんは近くにいた犬を引っ張ってとにかく先へ進もうとします。



「ちょっ!何触ってんのよ!?」



「おい…」



桃子の叫びに犬はすばやくツッコミを入れました。



「ナイスツッコミ!なんて私は言ってやれないわよ?」



「別にいーよ。」



「(ガキ…)」



兄は再び顔を曇らせます。



「みんな!早く走りなさい!」



おばあさんの掛け声にみんなは慌てて反応しました。




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