一筋縄では逝かせない★
「…―!?」
おじいさんは畑のおばあさんの目の前にたどり着くなり名前らしきものを呼びました。
「え…!?」
「わしじゃ!覚えとらんか!?…ほれ、昔、許婚だった…」
「えぇ…覚えてますとも!…その節はどうも!!」
ほんわかと穏やかな顔つきだったおばあさんは、突然額に青筋を浮かべると、
―ぱっこーん!
いきなりスイカを両手で抱え上げ、おじいさんの頭に振り落としました。
スイカは綺麗に真っ二つに割れました。
「…こんなところで立ち話もなんですから、わたしの家でスイカでも食べながらお話しませんこと??」
「は…はい…」
相変わらず怖い笑顔のおばあさんの言葉に、おじいさんは素直にうなずきました。