一筋縄では逝かせない★
「こら!犬!あんた年でしょ?!遅いわよ!」
「見てわかんだろ…見てのとおり年だよ…」
犬はぜいぜいと息を荒くして死にそうな顔をしながら走っています。
「あんたもばばあでしょ?人の心配する前に自分の心配しなさいよ!」
「ちょっと、桃子さん…」
キジの止めるのも聞かず、桃子の発言はエスカレートしていく一方です。
「だいたい何よ?邪魔でうるさいから縄で縛って置いてきたっていうのに。これじゃああんまりだわ!」
「言ってくれたわね?こんの小娘!」
「黙れよ。二人ともいちようばばあなんだからそんなに話してるとしんどくなるぞ?」
兄は見るに見かねて口を挟みました。
「余計なお世話!」
「(お兄さん…あなたもですよ…)」
唯一、若者?なキジはそれを言うことも出来ず、黙っておばあさんの後に続いていきます。
「あ!あそこよ!」
「だから何だってんだよ!」
『―待て待て待てーぃ!!』
おばあさんはいきなり大声を出しました。