一筋縄では逝かせない★



「さぁ入って!」



おじいさんはその言葉に一歩足を踏み出し、



「…」



しばし躊躇しました。



その瞬間、



「…ふんっ!」



畑のおばあさんに背中を思いっきりプッシュされ、



「ふぐほっ!」



派手に転倒してしまいました。



「あら、ごめんなさい☆」



やたらと誰かさんに似た反応です。



「い、いやぁ、いいんじゃよ…今のはわしが悪かった…」



そしておじいさんはそんな女性に弱いようです。



「…はい!スイカ!…あ、そっちのお二人さんも食べ…ってえぇぇ!?」



新たに二つ目のスイカをおじいさんの頭に振り落とそうとしていたおばあさんは、



「そっくり!」



そう叫ぶと持っていたスイカを放り投げて王様に向かって駆け寄りました。



「ねぇあなた名前は!?」



「あ…その人は王…」



「ジジイ!お前にゃ聞いてねぇ!!」



「ひどい…」




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