一筋縄では逝かせない★
『―待て待て待てーぃ!!』
「な、何だ?このマヌケな声は…」
「チッ、今から面白いところだったのにっ」
鬼達は好き勝手言っています。
「あ、あれぇ!?おばあさんとその仲間達!!?何故ここに…」
鬼はそんな声を上げながらも心のどこかでホッとしているのを感じました。
「おい鬼!俺達をばあさんの付属品みたいに言うんじゃねぇよ!!」
「そーよそーよ!失礼極まりないわ!リーダーはお兄ちゃんなのに!」
「えっ、俺リーダーもらっちゃっていいの!?」
「うん!お兄ちゃんが一番相応しいもの。他のは何かしけてるし」
「はぁ!?誰がしけてるって!?お前等なんて、シワだらけじゃねぇか!」
「(余計な事を…)」
懐かしいやり取りに鬼の目頭はジンと熱くなりました。
鬼達の存在は完全になかったものかの様です。
「あ、あのですね。今ちょっと真面目なシーンでしてね…」
「「はぁ!!?」」
「すみません…」
ここが鬼ヶ島だと言う事も忘れている様です。
鬼も頭が上がりません。